●恋人達は互いを誘惑する。
written by saina
正直、彼以上に色気が感じられる人は本当にいるだろうか? 笑ってくれる彼。遊ぶ彼。デュエルをする彼。少しムッとする彼。少し悲しむ彼。あと、赤色に塗られる彼。 「…、ぁ…」 長い口付けで彼の顔は赤くなって息を取って、口を大きく開いた瞬間にかわいいと思いながら、彼の口唇と再び重なる。 「ん……ぅんー…」 愛しい。 彼のすべては愛しい。 「…はぁ…っ、ヨハ…」 それくらい経ったかわからないが、何度の深い口付けを繰り返し、少ししつこいと思った彼・十代はヨハンの肩を優しく、自分から離した。 「十代は本当に俺を誘うな…」 「……?何の話だ…?」 「いいや。十代は俺を誘っている。どんな表情でも俺は十代が俺を誘っているにしか見えん!マジで理性がヤバくなるぜ…」
「さっきから分からない話しか聞こえんけど、つまりオレはヨハンを誘っているってこと?」 「あぁ。そういうことだ」 「…へぇー…」 上半身を起してヨハンに触る。 始めに手を胸に置き、続いてゆっくりと、羽根のように肌を回し、胸板、鎖骨、肩、首、顎… まるで愛撫のようだ。 「っ、じゅうだい」 「昔のオレは、よくヨハンの行動に惹かれてたこと、知ってた?」 まだ自分の気持ちに気づいていない頃、彼はよくヨハンを見ていた。 迷った彼。笑う彼。元気にデュエルをする彼。自分のためや皆のために怒る彼。悲しむ彼。 誰にもある感情の一面なのに、何故か十代はヨハンから視線を離すことができなく。彼は見て気付いた。 もっと。もっと見たいと。 「ずっとみたい。」
ヨハンの頬に触りながら十代は近づき、彼の額にキスを送る。 「もしかしたらさ、オレにとってヨハンはすでに麻薬かもしれない」 「なんだそれ?」 「オレはずっとヨハンに惹かれるままだ。惹かれて、ひかれて…お前のすべてを見たい。ヨハン、」
「お前から離れない」 「望むところ、だけど?」 十代を自分の上に乗せ、ヨハンも彼に近づく。 触るだけの口付け。 離れた瞬間、まるですべてを手に入れる欲を満たすように二人はつよくお互いの背中に腕を回せ、 深い、深い口付けを。
恋人達は互いを誘惑する ――――さぁ 俺(オレ)を誘え
END
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