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●君の夢を見すぎて眠れない!!


(三期異世界編前)
written by Saina

 

最近、一つすごく困ることがある。もう困りすぎでどうすりゃいいのかわからないくらい。それはさ、

「はぁ…」
「あれ?どうしたスか、アニキ。珍しくクマが見えるス」
「あぁ。ちょっと…夢見ちゃってさ」
「夢?」
「十代の夢ならきっとエビフライやデュエルの夢だな。うんうん」

納得して頷くヨハンに十代は彼を睨みつける。

お前のせいだっおまえ!
(っつーかなんでオレはヨハンの夢なんて見るんだよ!)
思い出すとなんとなくむかつく。

十代の夢にはヨハンが登場した。だが問題はそこではない。夢の内容のことだ。
夢の中で彼と彼は親友ではなく、何故か恋人同士みたいに手を繋いで歩くとか、相手に抱きしめられながら彼に寄せるとか、
とりあえず現実とまったく違う景色だ。
違すぎで思わず夢の自分を殴りたい。

マジで勘弁してほしいぜ…

頭を左右に振る十代にヨハンは彼を見て何かを思い出したようにヨハンは腕を上げ、
「っ?!」
「おっ!本当にクマが出てるなー」
十代の顎をすくい上げた。

ちかっ。近い!

「な、なんだ?ヨハン」
「十代さ、もしかして誰かの夢を見ちゃったか?」

なんという鋭さ!

「え、なんで?」
「だってお前、さーきから俺から目線を逸らしているんだぜ?」

お前はなんでそういう時だけ鋭いのか?!

「ふーん」

まったく周りの視線を気にせずにヨハンはじーっと十代を見つめる。
あまりの近さで十代もそろそろ離れようとするが、次に起きたことに目を見開いた。

『チュッ』と何かの音が耳に届いた。

ついでに顔に伝う濡れる感覚。

「……あ。もしかして初めてだった?目にキスされること」
「な、ななななな…」
「な、ななななな…」

何をしたんだぁーー!!!

「ちゃんと寝ろよぉーじゅうだい!心地よく眠れるおまじないだぜ!」
「…な、おまじな、え、まじな、…まじない……」
「んじゃ!また後でなー!」
…ハッ!!ボク、ボクのアニキがあぁああああ――――!!!
って丸藤先輩!落ち着くドン!
放せよ剣山君!あのフリルを殺しに行くんだぁぁあ――!!


(…あぁ)
(オレ、今夜も眠れないかも…)

暫くの間、ヨハンを直視できない十代であった。


 

END







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