●じつはね。
(草食男子なヨハンと女体十代子ちゃん:高校生パロ R-18)
こんな感じで、俺の一世一代の告白は長い沈黙の後奇跡的に受理された。 でもずっと好きだったヨハンとつきあえるんだという実感が湧いてきて俺はすぐに舞い上がりそんなことはどうでもよくなった。 それから、数ヶ月。
「………なーヨハン、今日は何するんだ?」 これすなわち、本日も一日家にいるってこと。 両親が年中海外出張でほぼ一人暮らし同然のヨハンの家のヨハンの部屋で 例えばここで俺が機嫌を悪くしてみても、ヨハンは気付かないし、気付いてもその理由が自分にあることなんてこれっぽちも思わない。 運命の告白からの俺たちと言ったら、まだキスどころか手すら握ったことがない。 普通こんな密室に心を確かめ合った男女がいたら何かしらラブなイベントが発生するもんじゃないのか? なんとかヨハンの気を引こうと制服のスカート丈はだんだん短くなり、シャツの胸元を少し意識して開けてみたり、 そして今日もこうして寝転がってスカートから太ももをちょっと露出させても、
出来れば使いたくはないが、このままヨハンの部屋に「居るだけ」よりはよっぽどマシだろう。 「俺、デッキ持ってきてるぜ」 「デュエル、する?」
何をしていてもヨハンはデュエルには関心をしめす。 ヨハンは強いしデュエル自体は楽しいし、付き合っているのに片思い状態よりはよっぽど充実しているのだが 『俺って、ただのデュエル友達?』 心にあれど、口にできないその想い。 でも「俺のこと好き?」と聞けば「うん」と返してくれるので
こんなに一緒にいるのにヨハンのことが全然わからない。 そうするのが当然だなんて思ってないけど、彼女として特別に扱われたいと思うのは普通のことだろ? 人当たりがよくがっついてないくて、さらに優しいので女子も話しかけやすい。 成績も悪くないし、金髪碧眼ではないものの外国人特有の白い肌、ばしばしの睫毛、
「え……………」 突然ひとりの男子に声をかけられる。 「初イベントだから人集めててさ。なに、オールじゃねーし適当に楽しんだらみんなで居酒屋行ってカラオケでも行こうってなってんだけど」 まだ返事もしてないのにベラベラと予定をまくしたてる男子生徒に俺はたじたじになっていた。 困り果てた俺は横目でヨハンの顔を見て助け舟を期待したが、ヨハンの様子は至って普通。 今までの付き合いの中でそんなことを期待してはいけないことはわかっていたが いざって時はバシっと「これは俺の彼女(コレ)」っとかって決めて欲しいのに! 「ど、どうしよっかな〜〜〜〜〜」 ヨハンが何かアクションを起こさないかと答えを引き伸ばしてみたが、 もうヨハンなんて知らねー!!! 「●●子も来るしさ、××ちゃんだって…」 「行く」 「え」 「俺も行く」 「マジでっ!?やったー遊城が来たら俺の株があがるぜー!」 言ってしまったの仕方がないし、別に夜遊びしたことがないわけじゃない。
『今から△△っていうクラブに行ってくる、帰ったらまたメールする』 こんなメールしたってヨハンが俺の帰りを心配することなんてないし、 大人っぽく見えるように黒を基調とした流行の服にマイクロミニのパンツ、ニーハイのロングブーツを合わせて少しカジュアルに。 「おーい、こっちこっち!」 俺たちを誘った張本人が手招きするのが見え、俺たちはいわゆるVIPルームと呼ばれる場所に招待され女子たちは目を輝かせる。 「うっそーあんたすごいじゃん!」 みんな嬉々として人の波に飛び込み、ガラス越しにさっそくナンパされてたり楽しく踊っている姿が見えたが、 はぁ………俺、なにしてんだろ。 俺が少しでも強くなれば、ヨハンも喜ぶだろうし。
俺はいつだって、いつだって……身を捧げる準備はできてるのに。 でも行きつく答えはいつも同じ。 自分に魅力がないのだ。 それを認めたくなくて、ヨハンに文句ばかり言ってる。 果てしなく不毛で、悲しい。 欲求不満と愛情不足で心が疲れ果ててしまって、 はぁ、と大きくため息をついたら例の同級生が扉を開けた。 「あれ、遊城踊りにいかねーの?」 音楽が大量に流れ込み、扉が閉じるとまた遠くなる。 「なんかそんな気分になれなくてさ…」 八方美人になりきれない、ぎこちない笑顔は引きつっているかもしれない。 「酒が足らねーんじゃねーの?まっ、遊城はそんなタイプでもないか」 男は俺の隣に座り、手に持っていた瓶の中の酒を一気に飲み干した。 さすがに今帰るのは早すぎるだろうか… 「遊城、最近急にかわいくなったじゃん?あいつ、ヨハンのせいかと思うとスゲーくやしくてさ」 か、かわいいって…っ たったその一言がほしいために努力して努力して、 「でもさーなんかお前ら見てるとつきあってる空気出てないんだよな」 続けられた言葉に、グサっと胸をえぐられる。 「そ、そう………?」 いたずらっぽく笑う同級生に返事ができず、俺はまた自己嫌悪の渦に飲み込まれそうだった。 「今日誘ったのも、人数集めって言ったけど……本当は俺が遊城と会いたかったからなんだぜ」 マズイ、こ、この流れは…っ 自分が座っている奥は壁で、扉は相手の向こうだし、 「ちょ、待て、落ち着けっ 飲みすぎだよお前」 俺はじりじりと後ずさるもすぐ背中には壁があたり追い詰められる。 嘘っ、やだっ ていうか、ヨハン以外の奴となんて…!
酔ってはいても相手は男だ。高校生にもなれば体格も力も女とは何倍も違ってくる。
手首を押さえつけられソファーに沈められる。
押し倒されて、天井の暗いライトが目に入る。 せめて終わるまで目を閉じていよう… そう思い、瞼を落としかけた時だった。
氷が散乱し、グラスが転がる。 「何すんだてめぇ……ヨハンか」 男は酒が回ってるのか立つのもやっとのようだ。 どうしてここに…
そう言うと俺の手を引いて立ち上がらせると、肩を強く抱かれる。 前後不覚の同級生はテーブルに寝転がったままぐうぐうと寝てしまい、
もうダメだ。 元々、相手にされてなかったけど… 「う…、うっ、」 悲しくって情けなくって、後悔しても何もかもが遅くて、 ボロボロと落涙が服の上をすべり、ブーツのつま先へ落ちる。 嗚咽は止まらなくて、俺は声を出して泣いた。 無言のままのヨハンの顔を見るのが怖い。
リビングの絨毯に座りこんだ俺の泣き声だけがさめざめと室内に広がる。
ヨハンの声に、不意に顔を上げた時だった。 「…?!つめた…」 目元に当てられた四角いコットン。 突然のことに俺はびっくりしてキョトンとしていた。 「母さんのメーク落とし。無駄にブランド物だからいいやつだと思うんだけど」 そう言うと手際よく顔中に滑らせて、涙でヨレるどころではない、ドロドロになった俺のファンデーションをきれいに落としてしまった。 「さぁ、キレイになった。十代は化粧しないほうがかわいいぜ?」 俺は耳に飛び込んできたヨハンのセリフが信じられず、ただ呆然としていた。 「次は…化粧水だっけ?」 ヨハンはボトルに書かれた小さな文字を目を細めながら確認すると、 されるがままの俺は作業に没頭する真剣な表情をずっと見つめていた。 「あいつさ、女の子をクラブに呼んでは食っちゃうって有名な奴だったんだ」 ヨハンの言葉に愕然とする。 「たまたまユベルに会ってさ。そういう噂を聞いて…クラブの名前と場所も調べたけど、ほら俺って方向音痴だろ? ユベルっていうのはヨハンの3つ下の従兄弟で…俺と出身中学が一緒で…ってそんなことよりも。 「心配してくれたのか…?」 焦る…?ヨハンが…? ヨハンが大きな手の平に乳液を伸ばし、ゆっくりと俺の頬を包み込む。 「ごめん…、俺、俺……」 ヨハンが信じられなくて、 「でも、ちょっと無防備すぎるかな」 ヨハンが肩を抱いてその胸へ引き入れてくれる。 囁かれる言葉に全部従ってしまいたい。 「●●と××と遊ぶのは、ちょっと控えたほうがいいかもな。あいつらしょっちゅうああいうところ行くだろう?」 その二人は何かと俺を夜遊びに誘ってくれる子たちだったけど、 「いい子」 下から見るヨハンの睫毛が蛍光灯に透けて、キレイだ。 「十代は?俺にしてほしいことある?」 意外な言葉に俺は思わず身を起こした。 昨日までヨハンにしてほしいことは数えきれないほどいっぱいあった。 「俺、ヨハンのこと何も知らない。方向音痴だなんて今知ったし……」 「ヨハンのことが知りたい。ヨハンの声で、身体で…ヨハンの全部を俺に刻み付けて」 最大限の勇気を振り絞り、震える手でヨハンの首筋に触れた。 「そしたら、もう揺れないから……ヨハンだけの俺になれるから…」 これは二度目の告白だ。 初めは憧れだったのかもしれない。 「…………キスしていい?」 ヨハンが俺の頬に触れ、顎をすくう。 「……聞くなよそんなこと」 俺が俯くと、ヨハンが笑って空気が軽くなり、
「………十代って結構胸大きいよな。知ってた?」 発育途中な胸はまだ時々成長痛がある。 カットソーが脱がされ、ブラのフォックを外され、胸があらわになるとさすがに気恥ずかしくて。 「だから…制服はちゃんとボタンを止めてほしいかな」 ヨハンの気を引くために少しでもかわいく制服を着こなしたくてしていたことだったのに リビングのソファーに寄りかかりながら、ヨハンがゆっくりと俺のひざを割り内股に唇を落とす。 「十代の太ももが細くて柔らかくて…魅力的だってことは俺が知ってればそれでいいことじゃないかな?」 微笑むヨハンはまるで天使のよう。 「うん、スカートも…元に戻す」 俺がそう答えるとパンツのボタンが外され、脚を滑ってゆっくりと取り払われる。 「好きだよ」 その言葉はまるで麻酔のように全身の力を奪っていく。 ヨハンの愛撫に息も絶え絶えになり、室内に細かい吐息が散らばる。 「はぁ、ん、っあ……あ、ん……っ、なにこれ………すごい……気持ちいい……」 初めては痛いだとか気持ちよくないだとか色々聞いてはいたが、そんなことは人それぞれなんだと思った。 抱きしめられるヨハンの肌は心地よく、自分以外の体温と混ざり合う感覚はどこか安心する。 「………痛い?」 ヨハンは表情を変えないが、頬を伝う汗は色っぽいし、 「痛くないわけじゃないけど、ヨハンと繋がって嬉しい方が勝ってる」 俺の言葉にヨハンは微笑むと、ゆっくりと腰を動かし始め膣奥まで内壁を擦った。 ヨハンの激しい律動を受け止め、喘ぐ自分がガラス戸に映っていても気にならないほど、幸せを感じてた。 ああ、俺ってヨハンに愛されてたんだなぁ…… 一つの毛布に包まり、寝息を立てるヨハンの腕の中で俺は涙を一つ落としたのだった。
「………ってことがあってさー!!!」 目尻を下げながらほくほくと十代が語るノロケ話を天上院明日香は半ば呆れながら聞いていたが、 「そう、そんなことがあったの」 楽しそうに昼食のお弁当の箸を運ぶ十代は制服のカッターのボタンを上まで止め、スカート丈は膝下、 派手な噂の多い同級生とも学校のみのつきあいになっているみたいだし、 ただ潜在的に顔の造りがよく明るく元気な彼女にひそかに想いを抱いている男子はまだ何人かいると聞くが、 「まぁヨハンは相変わらずなんだけどさ。それでもいいかなって」 以前は不満ばかりこぼしていたのに、この変わりようはどうだろう。 あれだけ成績優秀な彼のことだ。 十代を追い詰めて、絶妙なタイミングで毒牙にかける。
廊下を通りかかったヨハンに十代が教室を飛び出す。 その目は決して十代には向けられることのないだろう、冷たい目だ。
爬虫類系、って感じ。
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