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● あ、近い近い。
  

(透明人間ネタ;R18)
written by 緑豆







朝日を浴びて目覚めたヨハンは、いつもどおり朝の支度をしていて違和感に気づいた。
だが、最初は何か分からず、顔を洗うために洗面所に向かって、初めて違和感の正体に気づいた。

「はぁああ?」

鏡に映っていない。
いや、正確に言えば、ヨハンだけ映っていない。
鏡には、ヨハンの着ている服のみが空中に浮かんでいるかのように映っていた。

「ルビー!アメジスト!みんな!」

慌てて宝玉獣達に確認を取るが、皆は困ったように首を振るだけだった。
ヨハンの気配は分かるが、姿がまったく見えないのだという。声は聞こえるようだが、人間相手はどうだか分からない。
ヨハンは、ボイスメールを作成し、自分宛に送ってみる。
きちんと録音されていれば、少なくとも電話越しでなら会話できるというわけだ。


「よし。大丈夫。」

無事録音されたことを確認したヨハンは、学校に電話をかけると本日休む旨を伝えた。
留学生という立場上、無断欠席というわけには行かない。
だが、そう何日も休むわけにもいかず、早急に手を打つ必要があった。
幸いにも、デュエルアカデミアは奇怪な事件に巻き込まれる事が多く、相談はしやすい。しやすいのだが、相談する相手は流石に限られている。

「やっぱり、とりあえず十代かな?」

十代ならヨハンのいう事を信じてくれるだろう。
すぐさま電話しようとしたヨハンだが、しばし考えてから電話をかけるのを止める。

<ヨハン?十代に電話しないの?>

「ん〜。折角だから、今しかできない事をしておこうかなって。」

<今しか出来ないって…。ちょっとヨハン!犯罪はダメよ!>

「そんなことしないって。あはははは。」

透明である事を生かすべく服を脱ぎ始めたヨハンを見て、宝玉獣たちが慌て始める。
それをあえて見て見ぬ振りをして、ヨハンは服を小さく纏められそうな服を選ぶと、外出の準備に取り掛かった。
服だけ歩いていた…などという噂は立ってほしくない。
全裸で歩くなど変態的だが、背に腹は変えられなかった。
裸足だと足が辛いから靴だけ履くと、小さく纏めた衣服を持って、ヨハンは意気揚々と外に出た。

 


ヨハンが向かったのは、レッド寮の十代の部屋。
今日は午前中に実技の授業があり、午後は座学だ。
十代は、実技だけは絶対にサボらないから、十代の部屋は無人のはず。
つまり、漁り放題。やり放題。
隠し事をしない十代だが、それでもプライベートの空間というものは存在する。
明け透けなようでいて、十代は何かを隠している。ヨハンはそう感じていた。
それを、この機会に暴いてしまおうというわけだ。

「おっじゃまっしま〜す。」

十代の部屋に入ったヨハンは、手始めに机の周辺を漁った。
引き出しや戸棚は、オープンスペースとなっているので、普段からいつでも見ることが出来る。
だから、今更見る必要は無い。探すなら、何かを隠せそうな場所だ。
狭いレッド寮では、隠す場所は限られている。
そう思ったのだが、予想に反してヨハンは何も見つけることが出来なかった。

「おかしいな〜。絶対何か隠してると思ったのに。」

ヨハンは、十代が使っているベッドに寝転がると、十代の匂いを思い切り吸い込んだ。
むらむら来る匂いだ。
十代の匂いを堪能しながら、ヨハンは自身を扱き上げ始めた。

「抱きたいな〜。」

十代がヨハンの上で踊っているのを想像しながら、ヨハンは快楽に溺れていく。
ヨハンは、親友の皮を被った陵辱者だった。
十代と笑い合いながら、いつだって脳内で十代を犯している。
想像の十代は、いつだってヨハンの与える行為に喜んで応えてくれた。

「ああ。十代。いいぜ。最高だ。」

想像の中の十代に締め付けてもらい、ヨハンはあっさり果てた。
枕元に合ったティッシュボックスに手を伸ばし、ティッシュでざっと拭くと、ヨハンは3段ベッドの最上段に上がる。
ヨハンはそこで、十代の帰りを待つことにした。
枕元にディッシュが置いてあったということは、淡白に見える十代も性欲処理をしているに違いない。それを見物しようというのだ。
そんないいものが見られたなら、今後のおかずに困らない。
ヨハンは勃起しようとする元気な息子を宥めつつ、十代の帰りを待った。

 


扉が開く音を聞いて、ヨハンは目覚める。
入口を見れば、人目を気にしながら入ってくる十代がいた。
珍しく扉に鍵をかけた十代は、いそいそとカーテンを閉めると、デッキをホルダーにきっちりと入れて、ベッドへと腰掛ける。
息を潜めてそれを見つめていれば、十代の手はゆっくりと股間のところへ持っていかれた。

(うおっ。いきなりか!)

そっと自身を撫で回しながら、十代は快楽に堪えている。
どうやら十代は敏感らしく、触れるだけでもかなりの刺激なようだ。
身体をビクビクさせながら、十代の息は上がっていく。

「あ…だめ…だっ。」

十代は自分の指を舐め回し始めた。
一体どんなシチュエーションを想像しているのだろうか。十代のおかずは一体なんなのだろうか
乱れる十代をおかずにしながら、ヨハンは考える。

「もっと…強く…ぁ…。」

十代の手の動きはどんどん激しくなってくる。
手のひら全体を使って扱き上げる十代は、とても色っぽかった。
ヨハンの想像以上だ。両手を使って、十代は懸命に自身を高めていく。
部屋の中の空気は濃密なものへと変わっていた。

(十代…十代…)

ヨハンは、自分がまだ透明である事を確かめると、ゆっくりとベッドを降りた。
そして、真正面から十代を眺める。
十代は大きく足を開いて扱いていた。
ヨハンはそっと口を寄せると、透明な液体を零している先端を舌でつつく。

「あ…なに?ぁあああん!」

十代は快楽に酔いすぎてまともな判断が出来ていないのだろう。
ただただ刺激を求めて、ヨハンの舌に自身を押し付けてくる。
ヨハンはそれに応えるため、大胆に舌を動かし始めた。

「んっんっんっ。ん…………っ!!!!」

十代が達するのは早かった。
白濁を口で受け止めてから、ゆっくりと十代の自身にかけてやる。
飲み込んでしまったら白濁が消えてしまうし、掛かってしまったら空中に白濁が浮く事になってしまう。バレるわけにはいかない。
戻された熱に、十代は身体を震わせた。

「ん…。あれ、少ない…でも、今日は…。少なくても…。」

何をするのかと見ていたら、十代は白濁を指につけ始める。
そして、自分で蕾を擽ると、1本指を挿入した。
ヨハンが唖然としている目の前で、十代は頬を上気させながら出し入れを繰り返す。
生唾を飲み込みながら見続けてれば、慣れてきたのか、指が2本、3本と増やされていった。

(入れたい…)

十代の指を取り去り、ガチガチに勃起している自身を突き入れたかった。突き入れてかき回して…。
ヨハンは、十代の自慰を見ながら、自慰を再開した。

「もっと…奥きて…おねが…い…。」

自分に言われていないのだとは分かっている。だが、ヨハンは誘われているように思えて仕方がない。
欲望に逆らえず、ヨハンは十代の中に指を突き入れた。そして、十代の動きに合わせて動かしはじめる。
十代の中はとても熱かった。そして、よく濡れていた。
これなら、ローションを使わなくても挿入できるだろう。
経験があるのかと思ったが、それにしては狭すぎる。おそらく、自慰にしか使われていない。
後ろだけでイかせたくて、ヨハンは十代のいいところを探った。
十代の指の動きを妨げないようにしながらも、内壁を擦り上げる。

(ここか?)

十代が触ろうとしないところに触れてみたら、十代の身体はおもしろいくらい跳ね上がった。

「いや!いやだ!なんで?!」

髪を振り乱しながら、十代はよがり続ける。だが、気持ち良さそうと言うよりは苦しそうだ。
刺激が強すぎるのだろうか。加減をしながら、ヨハンは刺激を与え続けた。
心地よくなってきたのか、十代の身体が弛緩する。蕾も程よく綻んでいる。
もう1本指を増やそうか。
そう思ったとき、十代がヨハンを呼んだ。
まさか姿が見えているのか思い慌てて確認するが、透明なままだった。
だが、十代はヨハンを呼び続けている。

「よは…ん。もっと…して…もっと…。」

十代の目は、遠いどこかを見つめていた。想像の中のヨハンを呼んでいるのだろうか。
ヨハンがいつもそうしているように。そう考えたら、十代の目に自分が映っていない事が寂しく思える。
ヨハンは誘うようにうっすらと開いていた唇に口付けた。

「十代。」

「え…よ…はん?うそ…どうして?なんで?」

十代の目はヨハンを映していた。自分の姿を確かめれば、先ほどまでは透明だったのに、しっかり見えるようになっている。
十代は真っ青になってしまい、高ぶっていたモノは、すっかり萎えてしまった。
それが残念で、ヨハンは差し込んだままだった指を動かし、快楽を引きずり出す。

「…ぁ……。」

声を出すまいと、十代は頑張っているようだ。それが嫌で、唇を一舐めすれば十代はあっさりと陥落する。

「よはん…近い。」

「ん?」

「顔…近い…。」

「全然遠いよ。もっと近くなりたい。」

互いの間に隙間などいらない。
蕾に差し込まれたままだった指を外し、ヨハンはそこに押し入った。

「本物の俺はどう?」

「あ…。」

「言って。十代。」

「おっきくて…あつい…。」

「サンキュ。十代の中も、狭くてあっついぜ。最高。持っていかれそうだ。」

あまり長くもちそうにない。
だが、それは十代も同じだ。今にも弾けそうになっている。

「じっくり楽しむのは、また今度…な。」

「え?あっ、そこ、だめぇえええ!」

十代が達した瞬間、思い切り締め付けられて、ヨハンも後を追うように達した。
快楽の余韻に浸っていると、十代の身体が倒れこんでくる。

「あ、おい。大丈夫か?」

返事はない。
怒っているのかと思い、顔を覗き込んだら、十代は気絶していた。
これくらいの刺激で気を失うとは、先が思いやられる。だが、悪くない。
同じベッドで一緒に横になると、ヨハンは十代を抱えて休息をとることにした。
十代への告白の台詞を考えながら。 




END





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